アルザス地方は観光地として近年とても人気があります。ドイツとの国境沿いにあるフランスの小さな田舎町は、二つの文化が融合した魅力があり、可愛い街並みも訪れる人々を魅了しています。
大きな都市といえばシュトラスブーク(Strassbourg)が人気ですが、ヴォージュ山脈沿いの小さな可愛い村も近年とても人気が出てきています。時間がなくて全部は見切れない、という方へ、今日は、ここだけは絶対に訪れておきたい、小さな可愛い田舎街3つをご紹介します。
旅の関連書籍
今回ご紹介するコルマールはジブリの『ハウルの動く城』の舞台となった可愛らしい街です。
旅行前に一度『ハウルの動く城』を見直してみることをお勧めします!
地球の歩き方ではフランス版だけではなく、「アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュ」地方のガイドブックが出ています。地域的なことがより詳しく記載されているので、便利です↓
基本情報
アルザス地方とは、バ=ラン県(Bas-rhin)とオー=ラン県 (Haut-rhin) に代表される地域で、シュトラスブークを首都とする、主にライン川やヴォージュ山脈の地域自然公園に囲まれた自然豊かな地域です。
バ=ランとはライン川下流という意味で、一方、オー=ランはライン川上流という意味です。ライン川に沿った地形なんですね。
住民は主にドイツ系アルザス人と言われ、フランス語とアルザス語のような現地方言を話します。ドイツの両方を話す人が多くいましたが、近年はフランス語のみ話す人が増えているようです。
アルザスの言語について関心がある方は、こんな本も出ています↓
神聖ローマ帝国から20世紀頃まで、地形的にも各国の間に位置するため、幾度もの戦争に巻き込まれてきたアルザスには歴史やアイデンティティの話題に関して少し敏感なところがあるかもしれません。
ヴォージュ山脈の周りには小さな可愛らしい街や、ワイナリー、眺めのいい丘陵や平野を堪能できる場所がたくさんあり、この地域の街を全て制覇しようと思うと、1、2日では周りきれないほどです。
また、丘に登ったり平野の景色を堪能するためには、車で訪れるのがベストですね。
コルマール (Colmar)
一つ目は、スタジオジブリの「ハウルの動く城」の舞台になった街としても有名な街、コルマールです。
まずプフィスタの家(Maison Pfister)を見にいくことをおすすめします。ハウルの城に出てくる中世の建物にそっくり。まるで物語の中に入り込んだようです。壁や柱などの装飾も見事で、木組みの建物がちょっと傾いたりしているのが愛嬌です。
かつてドイツ神聖ローマ帝国の自由都市であった歴史ある街には、今ではフランス領ながら、ドイツによく見られるコロンバージュ(Colombages)という木組みの家が軒を連ね、中世の面影を残す街並みになっています。
木組みだけならドイツの各都市でよく見られる風景ですが、この街の特徴は、家がカラフルで、所々に咲いたお花がさらに彩りを加えていること、そして一番の見所である美しい運河があることです。
運河沿いはプチベニス(小ベニス)と言われ、カラフルな家々を背景に花々が咲き乱れ、愛らしい景色を作り出しています。大人気の写真スポットですので、カメラをお忘れなく!
リクヴィル (Riquewhir)
二つ目はリクヴィルという街です。
リクヴィルはコルマールから30キロ北上したところにあり、コルマールに続いて近年とても人気が出てきた可愛らしい街。
木組みの家が連なる街並みを歩くと、まるで絵本の中にいるかのよう。アルザスの宝石と謳われ、「フランスの最も美しい村」だけではなく「開花村」とも呼ばれて最高に褒め称えられている村です。
1200人の村人からなり、メイン通りドゴール将軍通り(Rue du Général de Gaulle)が主な観光場所という小さな村ですが、両脇には木骨作りのカラフルな家々が立ち並びとても華やか。
中庭でアルザス料理を堪能できるレストランや、ワインのテイスティングができるケーブのような地下ショップ、クリスマスツリーのオーナメントのお店や、昔の面影を残したままの古井戸などもあり、楽しいお店を回っていると、あっという間に半日過ぎてしまいます。
オルシュヴィラー (Orschwiller)
三つ目はオルシュヴィラーという街の近郊にある古城です。
オルシュヴィラーは、リクヴィルから15キロくらい北上したところにある街。この街の近くには、地元の人にとても人気な美しい古城Château du Haut-Kœnigsbourg(オー・ケーニヒスベルク、オー・クニクスブール)があります。
12世紀に建てらた高さ700メートルを超えるこのお城は、昔から戦略的な要塞として重要な位置付けにありました。多くの戦いに巻き込まれ、様々な君主によって所有されてきましたが、20世紀に入ってドイツのヴィルヘルム2世の元、改修が行われました。美しさを取り戻した古城は、今では年間50万人もの観光客が訪れる、大人気のスポットです。
お城に登ると、目の前にはアルザス、ヴォージュ山脈、黒い森の素晴らしい平野と青空が広がっています。
実際に登ってみましたが、その高さと見晴らしは抜群。確かに四方八方全てを見渡せる地理的な優位性があり、このお城が絶えず重要基地となっていたことに納得です。
歴史をひととき忘れ、小鳥の鳴き声や時折ひょっこり顔を出すトカゲ、平野に広がるワイン畑や色とりどりのお花たちを見ながら、息を呑むような美しさに浸るのが最高です。
まとめ
アルザス地域が作り出す魅力は特定の都市にはとどまらず、行く街それぞれの魅力があります。他にもまだまだ訪れておきたいスポットはありますが、あまり時間がないという方には、上の3つのスポットをまずはおすすめします。
アルザスの魅力にとりつかれて、また戻って来たくなること間違いなしです。
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