ドイツのケルン郊外にあるブリュール (Brühl) という小さな街に世界遺産があるのをご存知ですか?
世界遺産のケルンの大聖堂とセットで訪れてみても良いかもしれません。
外観も庭園もとても美しいですが、とりわけ内装はあのヴュルツブルクのレジデンスも手がけたバルタザール・ノイマン作とあって、目もくらむような美しさです。
今回はそのアウグストゥスブルク城と美しい庭園をご紹介します!
行き方
ケルン中央駅から本行きのRE快速 (Regional Express)またはRB普通列車(Regional Bahn)で20分程度。
お城は駅から見えます。
ブリュールの街中はお店が並び活気がありました。
アウグストゥスブルク城とは
1984年に登録された世界遺産です。
18世紀にケルン司教領主だったクレメンス・アウグストが夏の間に過ごした別邸で、改築をした際にロココ様式になったそうです。
ファルケンルスト邸という邸宅もセットで世界遺産になっていて、シュロス庭園を通って訪れることができます。
この手入れのされた庭園も、自然は自然のままでなく、人間のコントロール下にあるのだという権力の象徴の意味も込められたと言われています。
また、お城や庭園を背景にウェディング前撮り写真撮影も行われていました。美しい花嫁さんもたくさん♪
広い庭園の向こうには池があり、そこからの景色も圧巻です。
お城と庭園はこの広い敷地のほんの一部で、実はこんなに見所があります!お散歩には最適。ただ、全部見ようと思うと半日かかってしまいますね。
今回はお城だけご紹介したいと思います。
アウグストゥスブルク城内の見学
アウグストゥスブルク城内の見学はガイドツアーのみで入れます。
日本語のオーディオガイドもあり、個々に場内の建築の説明を聞くことができます。ツアーガイドさんはドイツ語で説明してくれます。
城内はちなみに写真は不可。なので何も掲載できないのですが、ベルサイユ宮殿を彷彿とさせる階段のモチーフや天井のフレスコ画や、それぞれモチーフが異なるもののどれも色彩も精巧なデザインも美しくまばゆいほどの部屋の数々は、必見に値します。
ここに来たら、絶対に中に入ってみることをオススメします!
ウェブサイトにも美しい写真があるので、見てみてくださいね。Picture Galleryというところで写真が見られます。
写真はここ → 💠
内部の階段はヴュルツブルクレジデンスで有名なバルタザール・ノイマンの設計のようです。これでもかというほど精巧な植物や動物、宗教モチーフが飾られ、金箔がふんだんに使われていました。淡いモスグリーンと薄ピンクの壁やマーブル柱も本当に美しく、ピンクやブルーを背景に描かれた天井のフレスコ画は、ため息もの。
天井画はどう見ても広々としたドーム型に見えますが、本当は平らなものに描かれているそうです。広く見えるように、だまし絵の要素を取り入れたそうですね。ガイドさんが一生懸命平らに見えるように説明してくれたのですが、見えたような見えないような。ドーム型に見えます!
シノワズリと言われるヨーロッパで18世紀に流行った中国趣味の美術様式も取り入られている部屋がありました。ガイドさんの説明では、当時ヨーロッパの人々はアジアの国々を戦争もない平和の国と理想化していて、日本や中国の文化を自分の生活に取り入れることがとてもモダンであり、かつ、アジアテイストの美術様式を飾ることで自分の家に平和が訪れると考えていた、とのことです。
確か、アジアンテイストの暖炉があり、ガイドさんがそこを指して「ここに絵があります。ただ、ヨーロッパの人は日本と中国の区別がつけられず、暖炉の絵は日本の風景画の中に中国人が映っているんですね〜」と残念そうに説明していたのですが、私にはどう見ても風景も中国のような気が・・・。
でもまあいいですね。
シノワズリはポツダムにある中国風の宮殿などでも有名ですが、ロココ様式と混ざるととても綺麗。建築様式から、当然アジア感は全面に押し出されているものの、西と東の美しい融合、という気がします。
(また、建築様式に関してもブログに徐々にまとめていきたいです・・。徐々に!)
各部屋は最近までドイツ大統領が国賓をもてなす際のレセプションとして使われていたそうです。マイセンの食器なども使用していたようで、とてもかわいいデザインのマイセン食器が展示されていました。
デュッセルドルフ・ケルン地方に来ることがあれば、ぜひお立ち寄りください。
とてもいいインスピレーションの源泉になります。
*お城の情報*
www.schlossbruehl.de/en/ Parkplatz, Max-Ernst-Allee 50321 Brühl
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