カタルーニャ音楽堂を作ったルイス・ドメネク・モンタネールの作品であるサン・パウ病院は2009年まで使われていた美しい病院です。
このサン・パウ病院もバルセロナの観光名所の一つとして人気が高く、病院とは思えないような美しい廊下や窓は、当時のスペインの建築に対する思いや芸術性の高さが伝わってきます。
1997年にはカタルーニャ音楽堂とともに世界遺産に登録されています。
今回は、そんなサン・パウ病院の観光情報と美しい装飾をご紹介します!
目次
19世紀初頭とモデルニスモ建築
ルイス・ドメネク・イ・モンタネール(1850〜1923年)はバルセロナの裕福な印刷業者の家に生まれ、25歳で建築学校の先生となりました。彼の2歳下にはガウディがいて、ガウディに講義を行ったこともあるそうです。
この19世紀末はフランスでもアールヌーヴォーの流行りとして知られる時代でしたが、スペインでもモデルニスモまたはアルト・ホベン(新しい芸術)と呼ばれる芸術が花開いた時代でした。
現在のバルセロナ建築の素晴らしい遺産となっているガウディ建築やモデルニスモ建築はどれもこの時代に生まれたものなんですね。
モンタネールの他の作品であるカタルーニャ音楽堂についての記事は以下にまとめています。とっても美しいのでぜひ訪れてみては⭐︎
行き方・チケット
場所&行き方
サグラダファミリアから数百メートルのところに位置するので、サグラダ・ファミリアの見学前後の時間に見学するのもおすすめです。
サイトは以下:
https://www.santpaubarcelona.org/en/visits-sant-pau-art-nouveau-site
個人で行くのが不安な方や、外観だけをさらっと見てみたいという方は、現地ツアーを利用するのが良いでしょう。Veltra(ベルトラ)というサイトでは様々な海外での現地ツアーを提供していて、日本で予約し現地で行くだけという便利なサービスです。
バルセロナ内の様々な観光名所の組み合わせのツアーも組まれているようなので、要チェック!
↓
チケット
サグラダ・ファミリアやカサバトリョなど他のガウディ建築よりは混雑していないので当日券でも待つことなく入れました。
チケットは病院の敷地入り口を入って右側の建物の中にあります。自由見学で料金は13ユーロです。
サンパウ病院の内部
歴史
サン・パウ病院は、銀行家パウ・ジルさんという方の遺言に沿ってモンタネールさんが作った最大のプロジェクト。
実はモンタネールの死後、息子さんによって1930年に完成させられたもので2009年まで病院として使われていました。
世界遺産で生まれた赤ちゃんもいるようで、病院にはサン・パウ病院に縁のある方々の映像が流れていました。世界遺産のサン・パウ病院生まれなんて、人生の良いスタートですね♩
見学ルート
病院は全部で48棟の建物からなり、敷地もとても広大です。
建物は中に入れる棟と外観だけを楽しむ棟があり、チケットとともに配られる案内に沿って見学をしていきます。棟から棟へは外へ出て、中庭を歩きながらぐるっと1周して戻ってくるというルートです。
外観
ドーム状や筒状の尖塔が特徴的な外観をしている煉瓦造りの病棟は、イスラム文化の影響を色濃く残しています。
サンパウ病院の病棟にはムハデル様式が施されたとされています。ムハデル様式とはレコンキスタの後に残留イスラム教徒によってキリスト文化との融合の中で作れた建築様式です。
広い中庭からいくつもの病棟を一度に見ることができますが、どの建物も美しく甲乙つけがたいです。
内部の装飾
モンタネールは「芸術には人を癒す力がある」と言う信念を持っていたため、ありとあらゆるところにステンドグラスやタイルなど、しかも明るい色の美しい装飾が施されていました。
大きな窓から自然の光が入り込みやすくなっていて、ステンドグラスを通して優しい色合いの空間になっています。
壁や天童の装飾も、派手すぎず、地味すぎない優しいピンクと緑を基調にした装飾で、タイルが美しいです。
入ることができる病棟は様々な展示品が置かれていて、歩いて見学することができます。
天井
美しい天井も見所の一つです。
メイン病棟の天井は可愛らしい真ピンクでアーチ状の円柱に支えられとてもユニークなデザインです。
まるで教会ような美しいステンドグラスと繊細な装飾の天井です。
廊下もまるで美術館か宮殿にいるかのような美しい天井と優しい壁の色と大きな窓ガラス。
廊下だけをパッと見て病院とは思えない上品さです。
天井のデザインはよく見ると可愛らしいお花柄ですね・・。
ステンドグラスの向こうには中庭を通して美しい建物が見えます。
サグラダ・ファミリアをのぞむ
サン・パウ病院の魅力は、その窓ガラスからサグラダ・ファミリアが望めることです!
数百メートルしか離れていない目と鼻の先に、通りを抜けた場所にサグラダ・ファミリアがすっと立っています。
サグラダ・ファミリアとサンパウ病院に囲まれたアパートに住めるとしたら贅沢ですね。
インスタグラムでは”#サン・パウ病院であれば入院してもいい”というハッシュタグができるくらい人気の観光スポットでした。
まとめ
バルセロナのモデルニスモ建築の象徴であるサン・パウ病院はいかがでしたか?
病院が世界遺産というのは世界にもあまり類がないので、ぜひ記念に訪れてみてはいかがでしょうか。
スペインのモデルニスモ建築の芸術性を肌で感じられる一作品です。
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