ドイツ語には面白い言い回しや慣用句がたくさんあります。一つの単語が長いことでも有名で、複数の単語を組み合わせて一つの単語にしている言葉もあったりします。
今回は、ドイツ人の食卓に欠かせないソーセージを使った言い回しを紹介します。
“Redewendung”は「言い回し」という意味です。
これまでも、
“Alles hat ein Ende, nur die Wurst hat zwei.”
(全てのことには一つの終わりがある、ソーセージは二つの端がある。=ちょっと洒落た言い回しなだけで意味はありません)
や、
“Das ist mir Wurst.”
(そんなこと、ソーセージだ = そんなこと、どうでもいいよ)
などソーセージを使った諺を紹介してきましたが、他にもまだソーセージを使った言い回しがあります。
ドイツ人との会話の中にソーセージを積極的に盛り込んで行けるようになりたいですね。
それではご紹介します。
目次
Eine Extrawurst kriegen.
- 直訳:追加でソーセージをもらう。
- 意味:特別扱いされる。
他人に比べて少し何かを多くもらうこと、ひいては、優遇される時や贔屓される時に使います。誰々は追加でソーセージをもらったんだ、という会話が出たら、贔屓されているのか、と理解できるようになるといいですね。
Es geht um die Wurst.
- 直訳:ソーセージが問題だ。
- 意味:今が正念場。
昔お祭りでの景品がソーセージだったことから、ソーセージをかけて戦った、ようです。ソーセージは貧しい人にとっても贅沢品だったんですね。
die beleidigte Leberwurst.
- 直訳:機嫌を損ねた肝臓のソーセージ
- 意味:機嫌を損ねている人
レバーは肝臓という意味ですが、中世のヨーロッパでは各内臓が人間の感情を司ると考えられていました。肝臓は怒りの感情をコントロールしていると考えられていたため、そこにソーセージをつけて、怒っている人は肝臓ソーセージと例えられました。
ちなみに、レバーヴルストのペーストはとても美味しいので、また別記事で紹介したいと思います。
Armes Würstchen.
- 直訳:かわいそうなミニソーセージちゃん
- 意味:かわいそうに、と同情を示す
大人が言われて嬉しいか、というとよくわかりませんが、子供が泣いている時にあやしながら言ったりします。
Wurst wider Wurst
- 直訳:ソーセージにはソーセージを
- 意味:目には目を、歯には歯を
同等の仕返しを、という意味ですが、このシリーズですと、目でも歯でもソーセージでも、同じであればどんなモノを並べてもいけそうですね。ソーセージを選ぶところがドイツ人らしいです。
Mit dem Schinken nach der Wurst werfen.
- 直訳:ソーセージを狙ってハムを投げる。
- 意味:海老で鯛を釣る
この言い回しは、ハムとソーセージの語順が入れ替わっていたり、ベーコン(Speckseite)が入っていたりと色々なバージョンがあるのですが、意味としては小さなものを餌に大きな利益を得るという意味です。
その、他バージョンの言い回しはこちら:
mit der Wurst nach der Speckseite werfen ⇨ベーコンを狙ってソーセージを投げる。
こんなに日々の生活でソーセージを使う場面があるのは面白いですね。
ぜひチャンスがあれば使ってみてください。