今回は突然心理学のテーマ。
『先延ばし』には多くの人が悩まされているようです
私自身は、先延ばし(=procrastination)なんていう言葉も概念も、つい最近まで全く知らないままでいましたが、周りに耳を傾けると、これで悩んでいる人が多いようです。
国籍を問わず、グローバルな悩みなんですね。
コロナ禍で、在宅によるテレワークが普及したため、より問題が鮮明になったのかもしれません。朝から晩まで誰も見ていない中、”自分を律して物事を進めていく”、というのはそれなりの意志の強さや目標設定が必要になってくる、と当然ながら思いますよね。
プロジェクト管理が必要な中長期の仕事も、短時間で処理が必要になる事務仕事も、資格勉強においても、それなりの計画と時間管理ができないと問題です。
ただ、「先延ばし癖」について調べてみると、先延ばし癖がある人というのは、単にそんな意志の強さや目標設定やタイムマネジメントで悩んでいるというのではないようなのです。
厳密に言うと、『先延ばし』と『先延ばし癖』というのは異なるようですが、慢性的に先延ばしに悩んでいる人の話を聞いていると、「自分は先延ばししてしまう」と表現することはあって、「自分はタイムマネジメントができない」とは言わないことが多い気がします。
どうやら第三者から見た時の現象とは異なる次元の悩みらしいのです。
知り合いの中にも、
「やらなければと思えば思うほど体が動かなくなる」
という人もいますし、
他にも、
「先延ばしていたお皿洗いがあるけれど、勉強を始めるのが嫌で勉強を先延ばしするためにお皿洗いをすることにした」
などの「先延ばしvs先延ばし=何かちょっとやる」などの不思議な構造が見え隠れする場合もあります。
具体的には、以下のような様々な原因があることがわかりました。
- 完璧主義であるがゆえにタスクへのプレッシャーを感じやすい
- 自己肯定感が低く不安感が強いため、「できないかも」と思ってしまう
- やる気やモチベーションがもともと低め
- 報酬に対して価値を感じることができない(=discounting)
- 衝動性が強い
- 自分ができることとできないことを細分化できない
etc…
人によっても異なるみたいですが、つまりは心理学的・脳科学的な要素を加味して原因を追及する必要がありそうです。
本当は能力があるのに、「先延ばし」のせいでその人の良さが隠れてしまったらもったいないですね。
せっかく考える機会をもらったのだから、自分には直接関係はないものの、いくつか本で調べてみることにしました。
① 人はなぜ先延ばしをしてしまうのか
この本は、先延ばしタイプを3種類に分け、具体的に説明を加えてくれるので、先延ばしの概念を学ぶにはちょうど良いです。
衝動性の問題も書かれています。
② 先延ばし克服完全メソッド
この本の著書は企業のコンサルタントを務めていて、コーチングと心理学を混ぜたようなないようです。例えば、ビジョンに対する考え方や情報過多による決断の麻痺などを問題視し、自分のコンフォートゾーン(comfort zone)からぬけ出る方法や、セルフコーチングの大切さなどを説いています。
途中で出てくる『できる限りバーを低く設定する』は、誰でもできて効果がありそうなメソッド。
この本を読むと、先延ばしをしている人は、休んでいる間も、頭の中は様々な思考が飛び交い、アイドリング状態にあるのではないかな?と感じます。
③やり抜く人の9つの習慣
コロンビア大学で社会心理学をとった著書が教えてくれるモチベーションの高め方です。「先延ばし」ということへの解明よりは、「どうやったらやる気を高めれらるか」というコーチングのような本です。
テレワークが進む中で、自分自身で物事を進められるようになる力というのは大事になっていくかもしれませんね。
本の紹介でした。
#ふわっとエッセイ #心理学