『ドン・キホーテ』で舞台となり有名なラ・マンチャ地方の風車を知っていますか?
街の名前はあまり知られていませんが、風車がある街はコンスエグラ(Consuegra)と言います。
オランダの風車とはまた違うスペインの風車も、またとてもユニークで可愛らしい見所の一つです。
アクセスがあまり良くないため観光客は多くはありませんが、『ドン・キホーテ』を読んだことがある人であれば一度は訪れてみたい場所であることは間違いありません。
むしろ、スペインといえば『ドン・キホーテ』、『ドン・キホーテ』といえば「風車」というイメージがある人もいるかもしれません。
そんな方にはぜひ一度訪れてほしいコンスエグラの可愛い風車の村を今回はご紹介します!
ラ・マンチャの風車とは
ラ・マンチャはアラビア語で「乾いた土地」や「荒野」を意味する”al-mansha”に由来します。
レコンキスタによってグラナダを追い出されたアラブ人がこのラ・マンチャの土地にやってきたために、アラビア語が由来となっているようです。
ら・マンチャ地方は、その当時から「乾いた土地」を意味してたという事に軽い感動を覚えるくらい、周辺は土地がカラカラ!車で走っていても水気の無さを感じます。
この風車は、16世紀に国王カルロス1世時代に作られたものとされています。当時は風車は科学技術の発展であったようです。
コンスエグラの風車は全部で11基あり、その可愛らしい景色とともに、スペインを代表する作家であるセルバンテスの作品『ドン・キホーテ』の舞台なった事もあり、スペインの人気観光スポットの一つになっています。
ドン・キホーテとラ・マンチャの風車
この風車群は、スペインを代表する作家であるセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』(Don Quijote de La Mancha)に登場します。
作品の中で、ドン・キホーテとサンチョは風車群に出くわしますが、ドン・キホーテはそれを巨人と間違えて(なぜか!)、槍を持って全速力で突進し、当然のごとく跳ね返された、という逸話があります。
サンチョは的確な指摘を聞かず、ドン・キホーテは魔法使いが巨人を風車に変えたのだと思い込み旅を続けます。
他人から見ると理にそぐわないと思われる行動も多々ありますが、ドン・キホーテのまっすぐな心根や正義感は、滑稽ながらも人々の心を打つものがあります。
これを機に「ドン・キホーテ」をまた読み直してみたい気持ちになります。
コンスエグラへの行き方
コンスエグラの風車へは車かバスで行く必要あります。
コンスエグラの街から風車までも距離があり、どちらにしても風車のある小高い山へ登るには車があった方が便利です。
コンスエグラはトレドから車で南へ40分くらい行ったところにあります。
コルドバからは車で2時間40分程度なので行けない距離ではないですが、日帰りは難しそうです。
トレドからアンダルシア地方のコルドバまで車で行く機会があれば、途中で立ち寄るのも良いと思います^^
風車の景色
コンスエグラには、11基の風車が丘の尾根に沿って綺麗に並んでいます。その様子は、車で街に近づいてくるとはるか遠くからでも見えてきます。
小高い丘は遠くから見るとカラッカラに乾いた土地(まさに マンチャ“manxa”!) で、その上にポツンと風車があるその景色はなんとも不思議なものです。
さらに近づくと、古城のすぐ横に風車が見えるスポットがありました!
風車の形は鉛筆の先のような形をしています。白い石の壁に先頭だけ黒やグレーの三角帽子がかぶさっています。グレーは薄いブルーにも見えます。
その隣にはかつて栄えたであろう古城もあり、スペインの国旗が建てられています。
風車がある丘まで行ってみると、そこからの景色は絶景。
コンスエグラの街を見下ろすことができます。また遠くに広がる大平原は果てしなく、地平線が見えるほど見晴らしの良い景色です。
街の周囲はブドウ畑のようですが、赤土の大地もあり、つぎはぎの土地のコラージュが見えます。
車を停める駐車場があり、そこの一番近くにある風車は中がちょっとしたお店になっているようで、飲み物やアイスの看板がありました。
猛暑というのもありますが、スペイン旅行中は水が手放せません。
日差しの強い猛暑のスペインで、さらに乾いた陸の孤島にいると、水が命綱のような気さえしてきます・・。
もう少し上に行ってみると街と風車がセットで見えるスポットがありました。可愛らしい絵になる光景です^^
そしてもう少し車を走らせると!
見えてきました、7基の風車の連なり。
丘が程よくくねくねしているため、それに沿って建てられている様子がなんとも可愛らしい。
ドン・キホーテを読んだ際にこんな景色をずっと思い描いていた、まさにその景色がそのまま目の前にあることが不思議です。
このとんがり帽子も味があってとてもキュートです。
古城は立ち入り禁止になっているようでした。
外観もとても古く改修がされていないようなので脆いのかもしれません。
古城からの見晴らしは抜群なので、もしかしたら数年後にはパラドールが建てられたりしているのかもしれませんが、今はまだ観光などに訪れる人もまばらのようです。
オランダの風車との違い
オランダの風車といえば世界遺産のキンデルダイクが有名です。
キンデルダイクも、水辺に沿って建てられてるたくさんの風車は美しく、毎年多くの観光客が訪れています。
オランダの風車との違いは、乾いた土地と湿地という土地の違いもありますが、ラ・マンチャの風車はやはり文学作品のモデルになった事もとても親近感がわききます。また風車の形もとても愛らしいというのが挙げられます。
オランダのキンデルダイクの風車を見にいく方法はこちらです↓
まとめ
「ラマンチャの男」で知られるドン・キホーテの舞台、コンスエグラはいかがでしたか?
遠くから山並みに沿って可愛らしい風車が並んでいる姿は圧巻そのもの。
また、オランダの風車とも違い独特の可愛らしさもあり、訪れる価値のある観光スポットです。
ぜひマドリッドやトレドに行った際にはついでに訪れみてはいかがでしょう。
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