ESSAY

日本と欧米のウェブサイトのデザインの違い *エッセイ*

この度ウェブサイトを立ち上げる際に、一番悩んだことはウェブサイトのデザインをどうするかということ。

ワードプレスというプラットフォームでウェブサイトを作っていますが、そこには多種多様なデザインのテンプレートがあります。(それを、“テーマ”と呼びます。)そこから気に入ったものを選べばいいだけじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、デザインの世界、そんなに甘くないのです。(と、知ったかぶり。)

何を一番悩んだかというと、ワードプレスが提供するテンプレートは、当然カッコ良いし流行りのミニマリズムを取り入れたシンプルなウェブサイトが多いけれど、日本人に受けるデザインではないのではないかな?ということ。

日本にいた時、郵便受けに入っているチラシや街中の広告や電車の中釣り広告、様々なファストフード店やファミレスの看板を見て、何でこんなにごちゃごちゃしているんだろう、何で赤やオレンジなどの強い色が多いんだろう?と思っていました。

もちろん人目を引くため、なのですが、スーパーのチラシなんて全部が強調されすぎてあまり内容が頭に入らず、逆に目に圧迫感を与えるだけのような気がして読むたびに疲れたりしていました。その後、ヨーロッパに行って、一部の繁華街を除いて比較的統一された色合いで建築に溶け込んだ街並みが作られていることにホッとしていたり。「景観を壊す建物はどれ?」という視点で街並みを見ていた時期もあるかもしれません。その後、アメリカに行って、ハンバーガーチェーンなどに代表されるような赤と白の看板も多く「ああ、ここから日本のデザインの源は生まれたんだなあ」と故郷を見つけたかのような気持ちになったこともありました。中国に行って、日本よりもっと刺激が必要な人たちがいるんだ、と思ったりもしました。

専門家から見ると怒られそうな、こんなアバウトな捉え方ですが、色合いやデザインを巡ってはやはりその国の個性も出ることなので、わりと違いに関して注目してきたつもりではあります。

そして、ウェブサイトに話を戻しますと。

日本の大企業のウェブサイトなんかを見ていると、日英どちらの言語も用意されているものが多くあります。多くの企業の日英のページを試しに見比べてみると傾向が掴めますが、日本語のウェブサイトは、一つのページにカテゴリーが小分けにされ、所狭しに文字が並べられていて、太線・二重線・太字などなどで強調に強調が重ねられていて、色使いもカラフルで、いかにも情報量が多そうに見えるようなサイト。それに比べて、”English”というところをポチッと押すと、シンプルなトップメニューと左のバーの小カテゴリーがあるくらい、色は二色のみ、中身を知りたければあまり強調のない淡々とした内容の長い文章を眠くならずに読む必要がある、というようなウェブサイト。

どちらが効果的か?とは一概には言えませんが、違いがあるのは明らかのようです。(もちろんコーポレートのサイトでは翻訳された内容の方が実際元のページより少なくて、情報量も少ないことも多々あるようですが、それはさておき。)

欧米の人にとって日本のウェブサイトはごちゃごちゃしていて見づらいようで、よく海外の友人が「なぜ日本のサイトは、こんなに全部を強調してしまうんだ。見ていて疲れてしまう」と言っているのを耳にします。

ワビサビの静かな美しさを称える文化が一方で存在するのに、広告は激しめ好き、と言われると確かにどうしてかなと考えてしまいます。「日本人は異なる美学なんだね」とふわっとした言い回しで包括的に言われることがありますが、まあきっとそういうことでしょう。

一方で、日本人にとっては欧米スタイル(または昨今のミニマリスト)のシンプルなウェブサイトでは、「イマドキ」「シンプルなスタイル好きなんだね」という印象も持つものの、「ちょっと寂しそう」「情報量が少なそう」と感じ退屈してしまう、というコメントを聞きました。

特にブログに関しては、過去のブログというのはカテゴリー内に入れられたらホームページにまた上がってくることはないので、二度と日の目を見ない可能性もあります。それならサイト内にある情報がなるべく多く最初のホームページに現れていた方がいいのでは、というのも一理あります。パッと見たときに、「このサイト面白そう」「たくさん情報がありそう」って思ってくれることが大事ですよね。

そんなこんなで悩みながら試行錯誤を重ね、(時間はかかりますが)ウェブサイトを徐々に立ち上げつつあります。

かっこいいサイトを作れているかは別として、日本語で書く日本の人をターゲットにしたブログなのだから、日本の人が見慣れているサイトのデザインにしてみよう・・見ている人がわくわくすることが大事!ですよね?

そして、次に英語で作るウェブサイトはシンプルなものにしよう〜と頭の中で計画中です。

こうやって西と東の両方を自分の中に持ちながら、心のバランスを取る日々です。

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