毎日蒸し暑い日が続きますが、夏になると「スタミナ料理」の定番であるうなぎが食べたくなりますね。
夏にうなぎを食べるのは、栄養上の理由だけではなく、「土用の丑の日」という日本古来の風習も関係しているようです。
「うなぎの日」と覚えている人もいるかもしれません。
今日は季節にちなんでそんな風習をご紹介します。
土用の丑の日って何?
土用というのは、立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間を指す期間です。
そもそも古来中国からきた五行思想に基づいた考えが基礎になっている季節の考え方です。
五行思想というのは、万物が「火・水・木・金・土」から成るという思想で、それをもとに、季節も春(=木)・夏(=火)・秋(=金)・冬(=水)の4つに割り振ると、『土』だけが分類されなくなってしまうので、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間に「土」を当てはめて、「土用」ということになったそうです。
昔は日にちを十二支(子・丑・寅・卯・龍…)で数えていたので、その「土用の期間に現れる丑の日」というのが土用の丑の日の由来です。
2020年の土用の丑の日はいつ?
2020年の土用の丑の日は、一の丑が7月21日、二の丑が8月2日です。
土用が毎年異なる期間を表すものなので、土用の丑の日も毎年変わります。また、「土用の丑の日」は夏だけではなく、季節の変わり目には訪れるものだということですね。
ただし、風習として、土用の丑の日というと夏の日を指すことが多いそうです。
また、夏の期間中に夏の土用が2日ある場合もあり、それぞれ一の丑・二の丑と言います。
なぜうなぎを食べるの?
うなぎはもともと日本古来から夏に食されていたもので、かの有名な日本最古の文学である「万葉集」にもうなぎを食べていた記載があります。
石麻呂に われ物申す 夏痩に良しといふ物そ 鰻(むなぎ)取り食せ
大伴家持
夏痩せにいいのでうなぎを食べなさい、という詩です。
うなぎ(UNAGI) を「むなぎ(MUNAGI)」とも言っていたようです。
実際うなぎはビタミンA群・B群が豊富なので栄養価が高いと言われています。一方で、強い食べ物なので、胃腸の弱い人は胃が負けてしまうなんてことも・・あるようです。
それくらい滋養供給として親しまれてきたんですね。
夏にうなぎを食べるのは良いとして、「土用の丑の日」にわざわざうなぎを食べよう、というのは、ビジネス的な理由があったとも言われています。
なので、
丑の日にこだわらず、夏になったらどこかで一度美味しいうなぎを食べに行く!というのが良いのかもしれません。
ちなみに、ヨーロッパでは、パリにある野田岩さんという和食レストランで美味しいうなぎをいただくことができます。
まとめ
長く受け継がれてきたものには先人の知恵。「夏といえばうなぎ」はこれからも続きそうです。
以上、日本の風習とちょっとしたうんちくでした。
#うんちく #日本の風習