コルドバは、セビリアやマラガ、カルモナなどと同様、スペインはアンダルシアにある有名な観光スポットです。
人口29万人の歴史的な街並みは毎年多くの観光客を魅了し、その名前は衰えることを知りません。またメスキータに代表される世界遺産の街としても知られているように、コルドバ観光は主にメスキータやユダヤ人街に代表されるコルドバ歴史地区を中心に歩くことがオススメです。
メスキータは、世界史の教科書でも旅番組でも目にすることが多い有名な世界遺産ですが、実際に見てみるとその壮大さや美しさに圧倒されます。やはりテレビや画像を通してでは伝わりきれないパワーや歴史的背景などを感じ取ることができます。
今回は、そんな一生に一度はぜひ訪れてみたいコルドバの観光スポットを紹介します。
目次
コルドバの場所・行き方
コルドバへはマドリッドから電車で2時間程度で行くことができます。車で行くと3−4時間程度かかるので、マドリッドからアンダルシア間は電車がオススメです。
途中で他の町に寄りながらアンダルシアまで行ってみたい、という人は車でも行くことができます。マドリッドからアンダルシア間は、『ドン・キホーテ』『ラマンチャの男』などで有名な風車の街ラ・マンチャ地方があります。詳しく知りたい方はこちらをご参照ください↓
またコルドバからは、近隣の町セビリアへは1時間程度、マラガへも1時間程度で行くことができ、アンダルシア周遊の一スポットとなっています。
コルドバの歴史的背景
コルドバは、711年にイベリア半島にイスラム教徒が侵攻した時の首都となっていた街です。バグダットのアッバース朝によってダマスカスを追われてしまったウマイヤ家の生き残りがアブド・アッラフマーン1世としてコルドバで即位し、この王朝は後ウマイヤ朝と呼ばれました。
その後コルドバは全盛期を迎え、イスラム教の伝来とともに哲学や文学もアラビア語で伝えられていくことになります。
レコンキスタによって1236年にはキリスト教徒によるコルドバ奪回となりましたが、当時もたらされたイスラム文化の影響は大きく現在もイスラム文化が色濃く残る歴史的建造物が多く見受けられます。
アンダルシアの各都市で見られるキリスト教とイスラム教徒の融合ですが、首都であったコルドバにはとりわけその影響が強く見られます。
建物や街のあちこちで見られるモザイクタイル模様もその一つ。イスラム文化の名残を色濃く残したデザインや模様は、他のヨーロッパでは見ることができないパワフルなもので、文化の混合を感じさせます。色使いも可愛く、とても美しく繊細な柄で、見ているだけでワクワクしますね。
メスキータ
メスキータは、前述した後ウマイヤ朝を開いたアブド・アッラフマーン1世によって造られたモスクで、785年に建設が始まりました。新首都にふさわしいものを作るため、大規模なモスクが計画され、3回にわたって拡張工事も行われました。
外壁も頑丈で大きいですね。遠くの方まで壁が連なります。
デザインも精巧な幾何学模様が施されていて、外壁だけでも圧倒されます。
メスキータの「免罪の門」をくぐって中庭に抜けるとオレンジの木が植えられた中庭に入ります。
ミナレットと呼ばれる目印の尖塔が免罪の門のすぐ横に立っています。
入るとすぐ左にアルマンソール泉という噴水があり、信者たちはアルマンソール泉で身を清めたと言われています。
チケット売り場は、アルマンソール泉のすぐ目の前にあります。中庭に行くと皆が集まっている場所が一箇所だけあるので、すぐ見つけることができるでしょう。
当日券でもあまり並ぶことなく問題なく買うことができました。料金は10ユーロ。
チケットを見せながら建物の中に入ると、目の前には大理石とくさび型の赤レンガを組み合わせたアーチが見えてきます。
いつも色んなところで見ていた内部の様子ですが、実際に中に入ってみてみるとその果てしないアーチの数に圧倒されそうになります。
もう3回くらい、「圧倒」という言葉で表現していますが、それくらい規格外な規模なのです。
このアーチと円柱は「円柱の森」と呼ばれ、かつては1000本以上もあったそうです。現在では850本程度、それでも行けども行けども円柱がある印象です。
レコンキスタの後にカルロス5世によってカテドラルに改修されてしまったため、全体としてはイスラム文化の影響を受けつつも部分的にはキリスト教の要素が全面に押し出されている部分もあります。
パンフレットなどでメスキータの内部画像としてよく使われている門を撮ってみました。
カテドラルの全景の模型です。最初に作られたのが建物右手の手前部分、その後向こう側に拡張していき、最後に左側の部分を付け足したようです。
とにかく圧巻の美しいアーチの森を見させてもらい感謝感激です。何度言っても言葉にならない美しさと、イスラム教とキリスト教の融合という貴重な歴史的な背景を感じ取ることができます。
ちなみに、お手洗いは奥の角の方に設置されています。この建物の中にあるので、続けて見学することができるので便利です。
ユダヤ人街と花の道
メスキータのすぐ裏側にあるのがユダヤ人街と呼ばれる歴史的な地区。メスキータのついでにお散歩をするのに適しています。
ユダヤ人街は細い路地が入り組んだワクワクする小道の多い区画ですが、中でも見所は白壁にかけられたお花の小鉢たち。「花の小道”Calleja de las Flores”」では、メスキータのミナレットを背景に小鉢が壁に並んだ美しい花の道を見ることができ、観光スポットとしても有名です。
ユダヤ人は西カリフ帝国の経済を支え、歴代カリフに優遇されていましたが、レコンキスタにより1492年に追放されてしまいました。ユダヤ人街にはユダヤ人のシナゴーグもあります。
街の風景&ローマ橋
グアダルキビル川のすぐ川沿いに建てられているメスキータの前には堂々とした門が建てられています。
また川にはローマ橋と言われる橋が架けられ、橋の向こうには、カラオーラの塔と言われるかつての要塞が見られます。カラオーラの塔は今では博物館となっていて展示室が設けられています。
コルドバ近郊の街
カルモナ
コルドバに一番近い観光地がカルモナの街です。カルモナの高台に造られた白い街と高台からの眺めは他では見ることができないほど絶景。カルモナへは車で1時間程度で行くことができます。また道中には多くのひまわり畑を見ることができます。
ひまわり畑
コルドバからカルモナへ行く間の道や、コルドバから南下する道にはたくさんのひまわり畑があります。アンダルシアを代表する夏の風物詩であるひまわり畑はアンダルシアの丘を黄色に美しく染め、その広大な一面に広がる風景は一度は見ておきたい美しい景色です。
セビリア
セビリアはアンダルシア観光のスタート地点としてもふさわしい交通の便も良い大都市です。スペイン広場やカテドラルに代表されるような歴史的建造物もあり、見所はたくさん。フラメンコの街としても知られています。セビリアへは車で2時間くらいで行くことができます。
マラガ
マラガはコルドバから1時間半程度で行くことができます。マラガは大きな港湾都市で、マラガカテドラルやピカソ美術館など歴史・文化的な要素もあると同時にショッピングなども楽しむことができます。
海辺に建てられた街なので全体的に開かれている空気感もあり、また丘の上にあるパラドールからの眺めも絶景です。
まとめ
アンダルシアのハイライトの一つであるコルドバいかがでしたか?アンダルシアに来たら、グラナダのアルハンブラ宮殿に続き、コルドバのメスキータは絶対に見ておきたい観光スポットです。
ぜひ一生に一度は足を運んでみてはいかがでしょうか。