ステイホームが始まって以来、寝る前にNetflixを見るのがすっかり習慣になってしまった。寝る前、というよりは、「眠りに落ちる前」といったほうがより正確かもしれない。
中でも好んで観ているのがScience & Natureの40−50分で1話完結もののドキュメンタリー。
夕食のお皿洗いもその日の仕事も全て完結させ、さくっとシャワーを浴びてストレッチをしながらのんびりした後、ソファに横になってぼーっと画面を見てれば良いだけのこの時間は、1日の義務感から解放された至福の時間である。
疲れた体と心をリラックスさせようとOur Planetシリーズを見始めた。
過激なスリラーや世俗的なロマンチックなストーリーで感情を酷使するよりも、日常から少し解き放たれて別の世界を見たい、と無意識に思っていたのかもしれない。旅ができないこんな時期だからこそ、映像で別の場所にトラベルしたいと思うのは当然のことだろう。
最初のうちは、改めて気づかされる自然やそこに生きるワイルドライフの存在に気づかされながらも、美しく壮大な自然の景色と穏やかに流れるBGMにそのまま寝落ちしてしまうことも多々あった。
睡眠導入剤といってもいいくらい、気持ち良い眠りが訪れる。すっかりハマってしまった。National geographic chanelも積極的に見るようになった。
でも、それを何日か続けていたある日、全く眠れなくなってしまった。眠るどころか次のエピソードに行きたくて仕方ない。さらには、出てくる動物をインターネットで調べずにはいられなくなってしまった。
思いの外、脳が活性化してしまい、一気に交感神経が優位になったようなのです。
というのも、出てくる動物の多くが、地球温暖化により、生き方の変化を余儀なくされている、、というナレーションばかり聞こえてくるのです。
例えば北極や南極のような氷の世界では、よくメディアでも取り上げるように海面上昇や氷の減少が進み、そこに住む生態系に多くの影響を与えているようです。
アメリカ国立雪氷データセンター(NSIDC)などのサイトを見ると、Sea Ice Indexといって氷分布面積の変動グラフが見れたりします。日本ではJCCCA(Japan Center for Climate Change Actions)のサイトで情報が得られます。
ペンギンは主食であるオキアミの激減により個体数が激減しているなか、ヒョウアザラシなどの天敵に食べられながらも必死に生きながらえている。
一年のほとんどを氷の上で過ごすセイウチは、氷の減少により陸に上がらなくてはいけなくなっている。パニックに弱い動物のようで、多数の集団で誰かがパニックを起こすと圧死をしてしまったりもするようです。
3メートルにも及ぶ長い牙を持つことで有名なNarwhal(いっかく)という珍獣は生息地が限られているので、他の動物に限られた食料を奪われ厳しい環境の中にいるため絶滅危惧種(Endangered species)とも言われています。
ホッキョクグマは冬に必死に、全身の力を振り絞って氷の上から穴を開けアザラシを探します。でも、氷がない夏の間は何も食べない時期が続き、温暖化によって氷のない期間が長くなるにつれ、お腹を空かせる時期が長くなり衰弱していきます。
さらには、氷があるとしても、アザラシとの駆け引きにおいて氷に身を隠しながら獲物に近づきますが、氷が溶けてしまいあたり一面真っ平らになってしまうと、ホッキョクグマは身を隠すところがなくなり、より獲物を捕えづらくなっていくそうです。
動物の生態は一概に「かわいそう」という言葉では片付けられない食物連鎖の流れがありますが、数多くの生態が、これまでとは違う生き方を強いられ、そこに順応できずに生きることが難しくなっている。
眠りにつく前に考える地球と氷の世界。
たとえ今すぐ自分一人で答えが出なくても、1日のうちの寝る前の1時間であっても遠い遠い北極や南極に想いを馳せる時間をとることで、意識が変わってくるのを感じます。
ステイホーム時間を利用して、地球上の動物たちの世界と今私たちが抱えている地球温暖化問題に触れてみてはいかがでしょうか。
#ふわっとエッセイ #地球温暖化