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イチロー選手の引退会見で感銘を受けた言葉たち。そして、考えること。

米大リーグ、マリナーズのイチロー選手が引退を発表しました。

野球もサッカーも、細かいルールは実はよくわからないのですが、観戦は大好きなので、有名選手の活躍はテレビやネットでよくチェックしていました。

イチロー選手もその一人。日頃から厳しいトレーニングと自己管理をされて、常に自分が最高のパフォーマンスをできるようにベストを尽くされてきた方。純粋にすごいな、と思います。

そして昨日の引退会見。

一言一言、丁寧に言葉を選び、自分の想いに一番近い言葉で表現をしようとされているのが印象的でした。

イチロー選手のプレーを見て、多くの方が勇気付けられてきたのではないかと思います。レベルも分野ももちろん違うけれど、その頑張りを見て、私も、よし自分も頑張ろうって思った事が何度もあります。

その姿勢から教えてもらえる事は、本当に多かったです。

昨日の会見で、また、心に響く言葉がありました。

そして、その感動と刺激から生まれた思考を、ここにちょこっとまとめておこうと思います。

最初に。自分の生き方でについて語る場面で、

自分の限界を超えることを少しずつ繰り返すと、いつの日かこんな自分になっている。一気に高みに行くことはできないから、地道に進むしかない。進むだけじゃなくて、後退しかしない時期もある。間違ったことを続けていることもある。でもそうやって遠回りすることでしか、本当に自分に出会えない気がする。

とおっしゃっていました。(フレーズは簡略化してます)

後退することや減速すること、遠回りすること。最初は勢いがあった人生も、うまくいかないなあって思えて仕方ない時期も出てきます。でもきっとそれが自分探しなのかなと思います。

「遠回りした」って思えるのは、逆に、きっと自分の尺度を持っているから。近道で「そこ」に到達することが大事なんじゃない。「そこ」がどこなのかわかることが大事なんだ、と思います。

もう一つは、「好きなことをやる」ということ。

自分が夢中になれることを続けていくからこそ、壁に立ちはだかった時に向かっていける。好きじゃなかったら、立ち向かえないことも多い。成功すると思うからやってみたい、できないと思うからやらない、という判断ではなくて、やりたいと思う気持ちが大事。

とありました。

自分の仕事や生活に置き換えてみても、「好きなことをやる」って、シンプルだけど難しい、と何度思ったかわかりません。好きなことをやっているつもりでも、知らぬ間に違う判断基準がすっと自分の中に土足で入り込んでいて、気づけば脱線して走ってしまっていることもあります。いつもいつも、「これ本当に好き?」って自分にまっすぐに問いかけて、素直な気持ちで自分に問いただす確認作業を怠らないこと。そんな簡単そうに見えることが案外難しくて、とても大事なことなんだなと改めて感じました。

そして、この野球人生から何を得たかという質問には、

「こんなものかなあという感覚を得た」という言葉。

この回答に、個人的に、とても感銘を受けました。

イチロー選手のような自分に厳しく、途中不安にも駆られながら、孤独と闘って頑張ってきた方は、きっと今まで「まだやれる、こんなもんじゃない」と思っていたのではと思います。

ご本人の真意とは少し外れてしまうかもしれませんが、自分に当てはめて考えると、おそらくだけど、「人生ってこんなものかな」とわりと簡単に思うことができる人と、思うことができない人っていると思うのです。人に言われてすぐ思えるようになるものでもないし、持って生まれた気質も関係してくる気もする。

私にはちょっと難しい。でもだからこそ頑張るエネルギーが生まれてくるし、高みを目指すことができる。一方で 、「こんなもんだよね」って笑いながら焦らず楽しそうに生活している人をとても羨ましく思う気持ちもある。その人が、「その生活に満足している」という状態が純粋に羨ましい。そこは穏やかな場所だと思うから。

でも、「人生ってこんなもの」って思うことができない人は、「こんなものなのかなあ」って無理やり思おうとした瞬間に、なんとなく悲しさが襲ってくる。だから、鬱々としないように、自分を奮い立たせて、「こんなものじゃない、自分の人生は自分で切り開くんだ」って頑張る。それの繰り返し。大変でもあり、それがエネルギーの原動力ともなる。いいとも悪いとも言えない。

でも、死ぬほど努力して、全てやりつくして、もうこれ以上のものは出せない、全て出し切った、というところで、「こんなもんかな」って思えるとしたら、これほど幸せなことはないのではないかな。と、思いました。

自分なりの尺度で、いつか私もそう思えるようになりたい、と思いました。

今まで、頭の中で散らかっていた思考を、キュッと引き締めてくれたような、でも心地よい刺激でした。

イチロー選手、お疲れさまでした。

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